本日は長崎にて現場定例会議の後、外装タイルの打診検査及び引張検査を行いました。
写真は、引張検査の様子です。タイルの接着強さを確認します。試験箇所全数にて合格値以上の値を確認することができました。
また、打診検査はタイル施工部分前面にて行います。12階建てのため最上階から下っていき、1階まで全階を検査しました。結構大変です。
うきは市にある「くど造りの住宅」を見学してきました。
「くど造り」の くど は竈のことを指し、棟が竈の形をしていることからきているそうです。
平川邸は一見すると寄棟屋根が3棟連なった構成に見えます。
実際は写真の2つの寄棟屋根がくど造り(棟が連なっている)となっており
奥に並行して同じヴォリュームの寄棟屋根が存在します。
今まで見てきた茅葺屋根の建物は桁行に長い長方形の平面構成が多く、方形に近い茅葺屋根は新鮮でした。
またその屋根が3棟連なる形態はリズミカルで、一体の平面構成が外観からは分割して見えるデザインはとても興味深いものでした。
私が茅葺屋根の建築に最も魅力を感じる部分は、外壁と屋根の対比です。
現代住宅は法規上の制限や容積の確保、屋根の防水性の向上などにより茅葺き屋根に比べ緩勾配の屋根が一般的ですが、一方茅葺き屋根は雨水対策などから急勾配な為、外壁部分より屋根部分の表面積が大きくなります。
屋根のヴォリュームが大きいと重厚な印象がありますが、それとともに茅のテクスチャーや葺き方(役物が無い一体的な面)と外壁の土壁により柔らかさと温かさをもたらしてくれます。
新たなデザインの手法を模索するには、古き日本の建築にこそヒントが潜んでいるのかもしれません。などと思わされる体験でした。